青いブレスレット
一瞬ぎょっとしたけれど、水原くんは脱いだ学ランを脱いだ学ランをわたしの肩にそっと掛けた。
「大して変わんないと思うけど、着てて」
「え・・・いいよ、水原くん、寒いでしょ?」
「俺はそんなに寒くないから」
と言いつつも、水原くんは寒そうに見える。
でも、返すわけにもいかず、わたしは学ランに腕を通した。
・・・あったかい。
ブレザーよりもずっとあったかく感じる。
思ったよりサイズは大きくてぶかぶかだ。
そんなに大きく見えないけど、男の子だから、やっぱり体も大きいんだな・・・。
そういえば、舞華ちゃんたちが彼氏に学ラン貸してもらってるの見て、ちょっとうらやましく思ったことがある。
わたしは結局貸してもらわなかったな。
「水原くん」
「ん?」
「・・・ありがとう」
意識したわけでもなく、微笑んでお礼を言うと、水原くんは少し顔が赤くなって、また視線をそらした。