青いブレスレット
痛い…!

びっくりしてすぐには分からなかったけど、ズキズキと痛みが増していく。

血の味もする。


「何すんの!!!」

私もエリカに手を振り上げた。



『雪川さん』


その瞬間、水原くんの顔が脳裏に浮かぶ。


…だめだ。

殴ったら、わたしはエリカと同じだ。



考えてるすきに、今度はお腹に思いっきり蹴りを入れられた。


「…っげほ…っ」

痛くて苦しくて、わたしはその場にしゃがんだ。



「悔しかったらやりかえしてみろよ!
ほら立てよ!」


今度は腕を胸ぐらを掴まれて強引に立たされ、壁に投げつけられる。



背中がぶつかるバンッて音と、後頭部がぶつかるゴンって鈍い音が聞こえた。
< 126 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop