青いブレスレット

「先生、それだけじゃないです」


エリカはスクールバッグからハンカチに包まれた何かを出した。


「それは?」


エリカがハンカチを開けると、中にはあの鏡のフレームとガラスの破片が入っていた。


「あたしが一生懸命お金貯めて買ったこの鏡、雪川さんが割ったんです」


「はあ!?」



思わず大きな声が出た。


「雪川、本当か?」

先生たちは明らかにわたしが悪いと思い始めたみたいだ。


エリカは自分の状況を完全に逆転させちゃったんだ。



「割ってないです!たまたま拾ったのがわたしなだけで、どっかから飛んで来たボールで割れたんです!!」


どんなに本当のことを言っても、先生たちから向けられるのは冷たい目。



エリカは、先生たちの視線が自分に向いていないのを知ってか、こっちを向いてニヤリと笑った。


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