青いブレスレット
「なーに見てるの?」

「わっ!!!」


水原くんはめちゃくちゃびっくりしたみたいで、ケータイを落としそうになった。


ケータイ画面は…なんだ、ただの待ち受け?


ん?もしかして、時間見てたのかな…?


「ごめんね、待った?」

「ううん全然。俺もほんの今来たところだから」



…これは、うそだな。

ちょっと笑ってしまった。


「なんで笑ってるの!?」

「あはは、ごめんごめん。でも、ほんの今来たなんてうそでしょ?
ずっとケータイの時計見てたんでしょ」


水原くんはちょっと動揺して、気まずそうな顔をした。


「あはは…実は、俺来た時まだ開店してなかったんだー…」

「え!?10時前に来てたの!?」


いくらなんでも早すぎだよ!!!


「朝早くに目え覚めちゃって、8時頃には全部支度済んじゃってて。
しばらく家にいたんだけど、なんかそわそわしちゃって、結局早い時間に来ちゃった。あはは」


水原くんはそう言って困ったようにわらった。

それだけ、今日を楽しみに思っててくれたってことだよね…?


そう思うと、なんだか嬉しくなった。


「水原くん!今日はいーっぱい遊ぼ!
わたしも今日めっちゃ楽しみにしてたんだ!!」

水原くんは、ちょっとびっくりして、いつもの笑顔になった。


「うん!まずはどこ行こっか?」

「えっとねー、あ!ちょっとここのペットショップの犬見てから!!」


まず、ペットショップに飛び込んだ。
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