青いブレスレット
「忘れろ、とは言えない。思い出すな、とも言えない。
でも…」


水原くんはわたしの頬に両手をあて、わたしの顔を自分の方に向かせた。


わたしのことをじっと見つめる。

水原くんの目には、泣いてるわたしが映る。


「俺のこと、信じてほしい」

水原くんはやっぱりわたしをじっと見つめる。

懇願しているように。



「前にも言ったけど、俺はあいつじゃない。雪川さんのこと泣かせたりなんか、絶対しない。大切にする。
だから…」

水原くんは真顔から、ちょっと照れ臭そうに笑った。


「俺のこと信じてください」


…どうして？


どうしてこの人は、こんなにわたしのことを思ってくれるんだろう。


何にもいいとこなんてないのに、どうしてこんな、こんな…。


また涙が溢れ出して、止まらなくなった。

「みず…はら…く…っ」


さっき以上に泣きはじめたわたしを見て、水原くんは微笑んだ。





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