青いブレスレット
「…ごめんなさい」


「え！？謝らないで！ごめんそんな深い意味はないから」


水原くんは申し訳なさそうに言った。

でも、なんとなくこっちが申し訳ない。


さっきまであんなにうれしい気分だったのに、一瞬で沈んだ気分になってしまい、少しうつむいた。


「雪川さん」

呼ばれて顔を上げると、その瞬間ー。


「ーっ！？」

水原くんに、不意にキスされた。


顔がかあっと熱くなるのがわかる。

そんなわたしを見て、水原くんはまた無邪気に笑った。


「落ち込まないで。ファーストキスはもらえなかったけど、それ以外の初めては全部俺がもらうから！」


それ以外の初めて？

初めて………。


「！！！」

わたしはもっと恥ずかしくなって、顔から火が出そうだった。
< 178 / 377 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop