青いブレスレット
「最近は休み時間とか、ずっとメールしてる。すごく楽しくなって・・・」
そういえば昨日も昼休み、ずっとケータイいじってた。
その人とメールしてたんだね。
「この前元カレと別れたばっかりだけど・・・あたし、そいつの彼女になってもいいのかな・・・」
いつもサバサバしてて大人っぽい理香ちゃんが、今は私と同じ普通の女の子に見える。
こういうギャップっていいなって思ったり。
「・・・その人のこと好きなら、彼女になっていいと思う」
「!そ、そうかな!?」
理香ちゃんがぱあっと顔を輝かせる。
理香ちゃんはきっと、その人のことをもう好きになっていて、でもうしろめたい気持ちもあって、一歩を踏み出せなかったんだと思う。
でも、前の人は理香ちゃんからフったわけでもないし、ほんとうにその人が好きなら、付き合い始めたっていいんじゃないかな。
「がんばってね!」
わたしがそう言うと、理香ちゃんはわたしに抱きついた。
「紗奈、ありがとう!紗奈もがんばんなよ!」
「えっ」
・・・そうだ。わたしも一歩踏み出したい。
「・・・うん、がんばる!」
わたしも理香ちゃんを力いっぱい抱きしめた。