青いブレスレット
「それじゃあ電気消すねー。おやすみ」

「おやすみー」

「…おやすみ」


わたしはさっきから、ずっと順也くんの言っていたことばかり考えていた。

今日は眠れない気がする。


寝息が聞こえる。

もう2人とも寝たんだ。


水原くんに打ち明けられたら、どんなに心が軽くなるだろう。

あと、こんなとき、水原くんの優しい声が聞きたいな……。


でももう遅い時間だし、さすがに電話できない。

水原くんに、会いたいな………。


「みず…は…ら…」

…ん?

いま、みずはらって聞こえた気が…

…気のせいだよね。



「水原………」


「!?」


やっぱり聞こえる!

どこから!?


声のするほうを見ると、ベッド。

わたしと理香ちゃんは床に布団を敷いて寝ている。

だから、ベッドの上にいるのは、千夏ちゃん。


じゃあ、いま水原くんの名前を言ったのって千夏ちゃん…?

いやいや、まさか…


「水原…!」


………!

いま、確かにはっきり聞こえた。



千夏ちゃんが水原くんの名前を呼ぶのが。
< 192 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop