青いブレスレット
わたしもなんかほしいなあ。
百合ちゃんみたいにデートはしないけどさ。
でも、あんなミニスカートはわたしには無理だな・・・。
『また明日ねー!』
昨日、そう言って別れたけど、今日は水原くんを見かけてもいない。
ちょっと・・・ちょっとだけ残念だな・・・って思ったり・・・。
「紗奈、ちょっといい?」
「ん?何?」
舞華ちゃんについていくと、服売り場のとなりの雑貨屋に入った。
「この前ね、カズキ・・・あ、わたしの彼氏ね、カズキがネックレスくれたの。だからわたしもなにかお返ししたいなあと思って」
舞華ちゃんの開いた制服の胸元には月のネックレスが光っている。
「どんなのあげたら喜んでくれるかなあ?」
舞華ちゃんは男性用のネックレスコーナーをじっと見る。
・・・そういえば、わたしも中谷からひとつだけプレゼントをもらったことがあった。
はじめてデートしたときに買ってもらった、ハートのネックレス。
すごく嬉しくて、毎日つけてた。
でも毎日つけてると錆びて色褪せていった。
一緒に恋も色褪せちゃった。
もとから色なんかなかったって言っちゃえばそれっきりだけど。
もう別れたんだし、普通なら捨てるよね。
・・・なんで今もスクバのポケットに入れて持ち歩いてんだろ。
バカじゃないの?
なんで捨てられないんだろう。