青いブレスレット
「雪川さん?」



水原くんがわたしを引き止める声が聞こえる。

でもわたしは聞こえてないふりをしてどんどん歩く。

気づけば、昇降口のほうまで来ていた。



「ちょっと紗奈!!」



理香ちゃんが追いかけてきた。



「どうしたの急に!みんなわけが分から…」

「ごめん。でも、水原くんと千夏ちゃんが話すところ見てられなかったの」


そう言うと、理香ちゃんは黙ってしまった。



わたしはチャイムが鳴る直前まで教室には戻らなかった。

でも、理香ちゃんは一緒にいてくれた。
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