青いブレスレット

それは、青色のビーズがベースのブレスレットだった。


小さいビーズがつらなり、一定の間隔で大きいビーズも交じっている。

ポイントに、ビー玉くらいの大きさの天然石が入っている。


・・・きれい。

ピンクや黄色など、色違いのものも置いてあるけれど、なぜかその青いブレスレットに引きつけられる。

値段はそんなに高くもなくて、買おうと思えば買える。


手にとってみようと、手を伸ばす。

・・・と、その時。


「紗奈ー!舞華ー!何してるの!?次は3階の店行くよー!」

百合ちゃんがこっちに向かって叫ぶのが聞こえた。


「ごめんごめん!紗奈、行くよ!」

「え!?あの・・・」


舞華ちゃんに手を引かれ、百合ちゃんたちのいる方へ連れていかれた。



「さあ!次はブーツ買いに行かないと!」

百合ちゃんは洋服の入った紙袋を持ちながらエスカレーターの方へ走っていった。


「ちょっと待ってよ!ー」

わたしたちもあわててあとを追いかけた。



・・・あのブレスレット、なんとなく気になる。

でも、今までだって買い損ねたアクセサリーはいっぱいあったけど、すぐに忘れちゃったし。


たぶんあのブレスレットもすぐ忘れちゃうよね。


心の中で自分にそう言い聞かせて、エスカレーターに乗った。
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