青いブレスレット

「はー、色々買えてよかったあ」

靴屋でブーツを買って、そのあとフードコートに座ってジュースを飲んでいる。

百合ちゃんはとっても満足そうだ。


「彼氏の反応楽しみだな!」

「絶対可愛いって言わせてやるし!」


百合ちゃんはデートの行き先を話し始めた。


理香ちゃんの方をちらっと見ると、理香ちゃんもさっきの店の紙袋を持っている。

「理香ちゃん、どんなの買ったの?」

「ん?こんなの」


理香ちゃんは少し紙袋から出して見せてくれた。

ワンピースのようだ。

黒色の生地に鮮やかな色の花がプリントされていて、理香ちゃんに似合いそうな大人っぽいデザイン。


わたしは理香ちゃんに近づいて小声で聞いてみた。


「ねえ、朝話してた人に会うときに着てくとか?」

「えっ!?そんな・・・ねえ?」


理香ちゃんが不自然に目をそらす。


・・・図星なんだ。

分かりやすい。


「理香ちゃんのとりこになっちゃうねー」

「も、もう!あんた何言ってんの!」


理香ちゃんが珍しく顔を赤らめて照れてる。

理香ちゃんにもこんな一面があるんだね。


「なになに?どうしたの?」


別の話をしていた舞華ちゃんと百合ちゃんが話に入ってきた。


「なっなんでもないの!」

理香ちゃんは知られたくないようで、必死に隠そうとしている。


いつもと違う理香ちゃんの様子に、舞華ちゃんと百合ちゃんは少しおどろいてるようだったけど、それ以上に興味津津みたい。


何度聞かれても、理香ちゃんは隠し通していた。


< 24 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop