青いブレスレット
「はー、色々買えてよかったあ」
靴屋でブーツを買って、そのあとフードコートに座ってジュースを飲んでいる。
百合ちゃんはとっても満足そうだ。
「彼氏の反応楽しみだな!」
「絶対可愛いって言わせてやるし!」
百合ちゃんはデートの行き先を話し始めた。
理香ちゃんの方をちらっと見ると、理香ちゃんもさっきの店の紙袋を持っている。
「理香ちゃん、どんなの買ったの?」
「ん?こんなの」
理香ちゃんは少し紙袋から出して見せてくれた。
ワンピースのようだ。
黒色の生地に鮮やかな色の花がプリントされていて、理香ちゃんに似合いそうな大人っぽいデザイン。
わたしは理香ちゃんに近づいて小声で聞いてみた。
「ねえ、朝話してた人に会うときに着てくとか?」
「えっ!?そんな・・・ねえ?」
理香ちゃんが不自然に目をそらす。
・・・図星なんだ。
分かりやすい。
「理香ちゃんのとりこになっちゃうねー」
「も、もう!あんた何言ってんの!」
理香ちゃんが珍しく顔を赤らめて照れてる。
理香ちゃんにもこんな一面があるんだね。
「なになに?どうしたの?」
別の話をしていた舞華ちゃんと百合ちゃんが話に入ってきた。
「なっなんでもないの!」
理香ちゃんは知られたくないようで、必死に隠そうとしている。
いつもと違う理香ちゃんの様子に、舞華ちゃんと百合ちゃんは少しおどろいてるようだったけど、それ以上に興味津津みたい。
何度聞かれても、理香ちゃんは隠し通していた。