青いブレスレット
「み、水原くん……」


やばい。



『おい、水原、おーい』

「またな!」


とりあえず電話を切る。

雪川さんを見ると………


あれ?笑ってる??



「今の西野くんでしょ?ほんと仲良いよね」

ニコニコしながらテーブルにチーズケーキを置いた。


よかった、警戒されてない……。



「水原くんて、意外と口悪いよね」

「え!?」


ギクリとすると、雪川さんは慌てて言葉を足した。


「あ!ちがうよ!?普通の男の子と変わらないって意味!水原くんに会ったばっかりの頃、やたら優しい言葉遣いする人だなーって思ってたけど、他の人にはそうでもなかったからさ」

「…それは雪川さんに良く見られたいからだよ」

「……え」



雪川さんは少し赤くなった。



本当の俺は汚い言葉も平気で使うけれど、雪川さんの前だとどうしても違う口調になってしまう。

雪川さんに好かれようと必死だったからだと思う。



「…そ、そうなんだ……
あ、チーズケーキどうぞ!」

「…いただきます」



崩れないようにそーっとフォークで刺して一口食べる。


「すごくおいしい!雪川さんこんなの作れるんだ!」

「ほ、ほんと!?よかったあー」



雪川さんは嬉しそうに笑う。


雪川さんが作ったチーズケーキは本当に美味しく感じた。



だからって、残りのホールケーキ全部もってきたときはビックリしたけれど。






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