青いブレスレット
………………え?


俺、今なんて言った………?



雪川さんは、さっきよりさらに驚いた顔をしている。



そして、急に走ってどこかへ行ってしまった。



………やっちゃった。


俺は勢いで、なんてことを言ってしまったんだ…!!!



優しく声をかけるなり、ハンカチを差し出すなり、仲良くなるにしても方法はいくらでもあったはずだ。

なのに、気づいたら告白していた。


顔がかあーっと熱くなる。

寒さも何も感じない。

分かるのは…恥ずかしさだけ。



立ち聞きしてたのがバレた。

自分の名前もバレた。

しかも、告白までしてしまった。



自分は落ち着いて冷静に行動できるのが取り柄だったはず。

親とか先生に褒められると言えばそれだった。


なのに、一体どうした?俺は………。



西野の言う「機が熟す」というのは、さっきのときだったんだと思う。

でも、俺は熟した「機」を枯らしてしまった。



空よりも暗い気持ちを引きずって家に帰った。

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