青いブレスレット
「…どうなの?雪川さん」


水原くんはニッコリ笑って、わたしに問いかけた。



どうやら、わたしの口から否定の言葉が聞きたいらしい。


やばい、めちゃくちゃこわい。



「ちがうよ!ただの知り合い!」



元彼はNGワードだと思って、知り合いと言ってごまかす。


「えー、そうなの?お似合いだと思うんだけどなあ」


一回付き合ってダメだったんだんだよボケ!!!


そんなことを思いながら、わたしは引きつった笑顔で固まっていた。



「そうだ水原くん、あたしたち24日集まってクリスマス会するんだよ!よかったら来ない?」


この雰囲気を見て、女の子はチャンスだと思ったのか、急にそんな話をし始めた。



わたしたちは24日も25日もデートの約束をしている。




「俺、雪川さんと遊ぶ約束してるから」


そう聞いて、女の子は一瞬わたしの方をチラ見したけど、すぐに水原くんの方を見て笑顔になった。



「そうなんだ残念ー!でも予定なくなったらいつでも言ってね!」



そう言って、教室に戻って行った。



わたしたちは無言で学校を出た。


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