青いブレスレット
水原くんはまだ機嫌が悪そう。


でもわたしはわたしで、また水原くんが女の子に声をかけられてもやもやしていた。



水原くんは毎回しっかり断ってくれるけれど、それでもわたしは水原くんに女の子が寄ってくるのは嬉しいことじゃない。

しかもこんな風によくない雰囲気になってる時にそんなこと言われると、水原くんも誘いに乗ってしまうんじゃないかって、思っちゃう。



「水原くん、やっぱりモテるよねー!」


雰囲気を変えるためか我慢できなかったのか、わたしは笑顔でそんなことを言った。



「え?」

突然の言葉に、水原くんは訝しげにこっちを見る。



「だってさ、女の子みんな水原くんのノート借りに来たり、さっきの子たちに遊び誘われたりさ、すごいよ!」



水原くんはなにも言わない。


でも、わたしの口からは言葉が止まらない。



「水原くんはさ、頭もいいし運動もできるし、かっこいいし!よく考えたら女の子がほっとくわけないんだよね!うん!」


…なんだろう。


顔は笑ってるけど、心は真逆だ。
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