青いブレスレット
【屋上で待ってる】


中谷から、そうメールが来ていた。



「じゃあわたし、先に帰るね!」


「また明日ねー」



千夏ちゃんたちと別れて、わたしは屋上へ向かった。



階段を一段登る度に、鼓動が早くなってる気がする。


やばい、緊張してきた…。



屋上のドアを開けると、冷たい風が吹きこんでくる。



フェンスの手前に、一人。


…中谷だ。




「中谷!」

呼ぶと、中谷は振り返った。



「…紗奈」



中谷はわたしを見て微笑んだ。



…なつかしい、この感じ。




「中谷、あのね」

「うん」

「あのね…」



…言葉が出てこない。



「やり直そう」って言うだけなのに、口が動かない。



こんなときに、なんで水原くんの顔が思い浮かぶの………?



「…紗奈?」

「…ごめん」



また涙が出てくる。


本当に泣き虫だ。



「中谷とはもう、戻れないよ」



言おうと思っていたのとは、正反対の言葉。


でも、これがわたしの本当の気持ちだ。



「わたし、水原くんのことが好きなの」


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