青いブレスレット
声かけるのはちょっと恥ずかしい。
でも・・・。
ここで声をかけないと、半月近く会えない。
わたしは思い切って声をかけた。
「水原くん!」
水原くんは振り返って、笑顔になった。
こっちに歩いてくる。
「雪川さん」
また、優しそうに笑うんだから・・・。
・・・でも、声をかけたものの、話すことが思いつかない・・・。
どうしよ・・・おなかすいた・・・。
・・・なんでわたしはそんなことしか思い浮かばないんだーっ!!
「み、水原くんもう帰るの?」
「え?う、うん・・・」
「よかったら、一緒にお昼食べにいかない?」
おなかがすいている自分がぺらぺらしゃべる。
・・・いくらなんでもいきなり図々しいかな・・・!?
水原くんは一瞬おどろいた顔をして、やっぱり笑顔になった。
「本当?俺でよければ」
わたしの中に安心が広がったあと、嬉しさに変わった。
水原くんとご飯食べに行ける。嬉しい・・・!
・・・でもそこで・・・。
「あ、透~!!」
聞き覚えのある声。
振り向くと、あの茶髪巻き毛の女の子が立っていた。