青いブレスレット

がんばれ!

「おはようございます!実行委員長の西野健です。今日は待ちに待った球技大会です。2年生はこれで最後の球技大会になりますが、楽しくプレーしましょう。1年生は僕たちがいるとのびのびプレーできないかもしれませんが、まあ来年はのびのびできるんで…」


西野くんのあいさつに、全校生徒、先生たちが笑っている。



「西野くん実行委員長だったんだ、すごいね」

「ちゃんと務まるのか心配なんだけどね」


千夏ちゃんとひそひそ話しながら笑った。



ついに、今日は球技大会当日だ。


終わったら、水原くんにマフラーを渡して告白するんだ。



すごく緊張してきた。


でも、しばらくはそのこと忘れなきゃ!




「午前の部開始は9時30分です。バスケットボールとドッジボールはここ第一体育館、バレーボールは第二体育館、ソフトボールとサッカーはグラウンド、テニスはテニスコートで行います」



「あ、テニス午前の部だよね、もう移動しなきゃ」

「あ、そうか」


行こうとすると、理香ちゃんに声をかけられた。


「二人とも、頑張ってね!」

「ありがと!理香ちゃんもバスケ頑張れ!」



二人でテニスコートに行く。

もう大勢の人がいた。



クラス対抗のリーグ戦で、クラスの中でペアが交代して出るようになっている。

…はずなんだけど……



「西野!なんで俺だけペアが3つもあるんだよ!!」


名簿を見ると、水原くんは3ペアも組まされていたらしい。


…また西野くんの仕業みたい。



「実行委員長に喧嘩売ってると失格にするぞ!ほら出番だぞ、早く行け」

「てめ、覚えとけよ!」



水原くんはラケットを掴んで、ペアの男子とテニスコートに入っていった。



「もー健ったら、調子乗ってるんだから…」

「にしても、西野くんやたら水原くん出したがるよね。なんでだろ」


ふと疑問に思って千夏ちゃんに言うと、千夏ちゃんはビクッとした。



「え!?そ、そりゃ水原は運動得意だからじゃない…?」

「?そ、そうだね…」



話していると、歓声が上がった。

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