青いブレスレット
試合が進んでいく。


Cクラス対Dクラスの試合は、今のところ2対1でDクラスが勝っている。


2点は水原くん、西野くんがそれぞれ1点ずつ入れたものだ。



「見た!?健また入れた!!すごーい!!」


千夏ちゃんはすごく嬉しそう。



わたしはなんとなく、周りを見渡してみる。



そういえば、西野くんも運動できて活躍してるのに、なんで水原くんみたいに女の子が騒いだりしないんだろう。


カッコいいし、彼女がよく変わってたからモテるはずなのに……



そんなことを真面目に考えてたけど、理由がすぐに分かった。



…そうだ、西野くんは千夏ちゃんと付き合ってるのを公言してるからだ……。



最初の頃は隠すような素振りがあったけど、最近ではクラスでも外でも、堂々と公言している。



だから女の子たちも、西野くんには近づかないんだ。



わたしも付き合ってる時に公言すればよかった。


…いや、わたしじゃ水原くんも恥ずかしくてできないか。



試合の応援そっちのけで、そんなことを考えていた。



< 335 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop