青いブレスレット
「水原のとこ、行ってみる?」


「…うん」



試合が終わったらすぐ、水原くんはテントがある本部の方へ行った。


さっきの怪我は大丈夫だったのかな。




テントの方へ行くと、水原くんが座って手当てを受けていた。


隣で西野くんがしゃがんでいる。



「水原!大丈夫?」

千夏ちゃんが声をかけると、二人は顔を上げた。


「山寺。大丈夫、擦りむいただけだから」



そうは言うけど、やっぱりかなり血が出てる。

痛そう……。



「雪川さん」

「えっ!?」


水原くんに急に声をかけられてビクッとした。



「テニス、調子よかったみたいだね」



水原くんが微笑んでる。


調子よかったのは水原くんのおかげだよ、とは言えなかった。



「み、水原くんほどじゃないよ…。サッカーも、頑張ってたね」



わたし、普通に会話できてるかな…?



「ねー俺は?俺も活躍したよ!?」

「健は黙ってなさい!」

「えーひどくね!?千夏ー!!」


千夏ちゃんと西野くんがまたいつも通りのやりとりをしてる。



なんだか、水原くんと二人きりのような、不思議な感覚だった。



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