青いブレスレット
そうだ、水原くんはこのあとも出番が何回もあるはずだ。


さっきのお返しに、わたしも「頑張れ」って言わなきゃ。



「み、水原くん」

「?」

水原くんはわたしの顔を見て不思議そうな顔をする。


「あ、あの…」

「水原くーん!大丈夫だった!?」



振り向くと…クラスの女の子たちだ。

あの3人組もいる。



「すっごい痛そうだったよね!大丈夫!?」


「え?ああ、大丈夫…」


「でも怪我したあとでもう1点入れるなんてすごいねー!!」

「このあとも頑張ってね!」



女の子たちはここぞとばかりに水原くんに声をかける。


水原くんもその勢いに圧倒されているようだ。



「…千夏ちゃん、わたしちょっとトイレ」

「…え?」



もうダメだ。

この状況で水原くんに話しかけられない。



わたしはその場をそっと離れてトイレに行った。
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