青いブレスレット

「ん?この人・・・」

その子はわたしのほうをちらっと見た。


「あ、雪川紗奈さんだよ。雪川さん、こっちは新田(ニッタ)」

水原くんが紹介してくれると、新田と呼ばれた女の子はこの前みたいに水原くんの腕に自分の腕を絡めた。


「も~、あたしのことはエリカって呼べって言ってるじゃん~」


このエリカって子がさっきからイライラする。


話してるところに入ってきたところからこの行動、話し方、全部癪に障る。


エリカは水原くんを狙ってるようにしか見えない。



「あ、そうそう透!今からタケルたちと一緒にファミレス行くんだあ。ね、透も来るでしょっ?」

来て当然、というような口調で話すエリカ。


「ごめん、今から雪川さんと・・・」


「えー!?」


エリカが、信じられないというような大きな声を出す。


・・・今、確実にわたしのことにらんだ、この女。


にらみたいのはこっちの方だっつーの!



「なんで~!?いつも一緒に行ってるじゃん!今日も行こうよ~!」

エリカはさらにくっついてだだをこね始める。


「今日は行かない。また今度行くから」


「やだ!透来ないとやだあ!」

エリカが目をうるうるさせて水原くんに向かって上目使いする。


・・・ぜったいうそ泣きだろ。

わたしが女だからかな?すごい腹立つんだけど・・・。





< 34 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop