青いブレスレット
その瞬間、思いっきり手を引かれる。



でも、身体にボールが当たった感覚はない。



ボールが転がる音がする。



恐る恐る目を開ける。



水原くんがわたしの手首を掴んでいた。


水原くんが、助けてくれた…?



思わず、水原くんの顔を見る。

水原くんも、わたしの顔を見る。



周りも静かになる。


時が止まったみたいーーー。




「アウトー!」


…え?



審判がわたしたちに向かって叫んでいる。



「はーい」


水原くんはわたしの手を離して、外野の方へ歩いて行った。



目をつむってたから分かんなかったけど、わたしのこと守ってくれて、自分が当たったらしい。



胸が高鳴る。


水原くんがわたしのこと守ってくれた。



嬉しい………!




でも、わたしのせいで水原くんが…


不安そうな顔をしていたのか、西野くんが声をかけてきた。




「大丈夫、あいつすぐ戻ってくるから」


「え?」



西野くんが言った通り、水原くんは外野からAクラスの内野一人に当てて、1分しないうちに帰ってきた。
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