青いブレスレット
そのあとは、なるべく水原くんから離れないようにボールから逃げた。



そして、水原くんがAクラスの最後一人に当てる。



ピーーーーーッ。


「ゲームセット!」



「やったー!!!」



コートに残ったメンバーで盛り上がる。


もちろん、外野のみんなも、見てるみんなも。



「やったね!紗奈ちゃん!」

「うん!」


千夏ちゃんも嬉しそう。


勝ったからだけじゃなくて、ずっと西野くんが守っててくれたからだと思う。


でも、それはわたしも同じ。



「水原くん、ありがとう!」

「…うん」


水原くんと笑いながら会話できるなんて、嬉しい。




「西野くん!遅くなってごめんね!」

バレーに行っていた二人が戻ってきたようだ。


「おうお疲れ!じゃあ二人とも、ありがとな」

「このあとも頑張ってね!」



わたしと千夏ちゃんはコートを抜けた。



そのあとも水原くんたちは活躍して、ドッジボールはDクラスが一位になった。


千夏ちゃんと応援しながら見て、すごく楽しかった。



「すごかったね!」

「このあとソフトボールやって終わりだよね!見にいこ!」



わたしたちはソフトボールを観に行く前にトイレに行くことにした。



トイレに入ろうとして、止まった。



…中から女の子たちの声が聞こえる。


しかも一人…泣いてる?
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