青いブレスレット

いいかげん引けばいいじゃん!


なんでそんなしつこくすんの!?


「透行こう?ねっ?」

エリカが透くんをぐいぐい引っ張って連れていこうとする。


・・・なんで水原くんもちゃんと断んないの?

いや、ちゃんと断ってるけど、もっと強く言わないとこの女、諦めそうもないよ?


・・・もうやだ、知らない、水原くんなんて。



「わたし、もう行くね」


「え?雪川さん?」


「じゃあね」



腹が立ったわたしは、その場から離れて靴箱に向かった。


「バイバ~イ」


エリカの嬉しそうな声が聞こえる。


・・・なんか悔しい、わたしが負けたみたいじゃん!



どうせわたしみたいな地味より、あんな茶髪の女の方がいいんだ。


わたしがちょっと思いあがってただけ。



あの告白だって、わたしの聞き間違いかもね。


別にわたしのこと好きじゃないんだ。



わたしは心の中でかわいくないセリフをぐるぐるさせながら靴をはいて校舎を出た。
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