青いブレスレット

今日はすっごくイライラする。

ヤケ食いでもしてやろっかなあ!


そんなことを考えながら、足音を立てて校門に向かっていると、急に手首を掴まれた。 

「雪川さん!」


びっくりして振り向くと、水原くんが立っていた。


少し呼吸が乱れている。

走ってきたのかな。


「・・・新田さんたちとご飯行くんでしょ?」


わたしはかわいくないことを言ってそっぽを向く。


「行かないってば」

「行けば?わたし別に気にしてないし」


自分でも分かってる。

わたしがこんなふうに言うのは、行ってほしくないから。

気にしてるから。


こんなときは、天の邪鬼になっちゃうんだ。



「だから、そうじゃなくて・・・」

「じゃあ何?」


わたしが冷たく言うと、水原くんは大声を出した。

「俺は雪川さんとご飯食べに行きたいから断ったんだよ!」



・・・え・・・。


水原くんがこんなふうに強く言うの、初めて見た。


いつも穏やかなイメージだったから、びっくり。


近くにいる他の人たちまでこっちを向いた。



「・・・あ、ごめん!大声出して・・・」


水原くんは我に返ったようで、謝った。



・・・びっくりしたけど、それよりもっと、嬉しい。


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