青いブレスレット
「あれ?雪川さん、少し手があったかくなってる」



水原くんはわたしの手を握って、不思議そうな顔をした。



「そ、そんなことない……っ」



そしてまた、二人で歩き始めた。



「ねー雪川さん」


「なーに?」


「これからは、紗奈って呼んでいい?」


「えっ!?」


「…いや?」


「い、いやじゃないっ」


「紗奈ー!」


「もー、恥ずかしいよ…」


「俺のことも、名前で呼んで?」


「へっ!?」


「もしかして名前知らないの?」


「し、知ってるよ!透でしょ?」


「そ。透って呼んで」


「と、透……………くん」


「呼び捨てでいいんだけど?」


「だから、恥ずかしいよぉ…」


「そうかな?俺は幸せ」


「わたしも、だよ」


「紗奈、好きだよ」


「!!!!!」



雪が降り始めた。



雪はわたしたちの繋がれた手に舞い降りて、あっという間に溶けた。






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