青いブレスレット

2人で街のほうまで歩いた。

まだ昼時だったから、お店はどこも混んでいた。


ファストフード店にテーブルが空いているのを見つけ、とりあえずそこに入った。



「ごめんね、なんか他に食べたいものある?」

おそるおそる聞いてみると、水原くんは首を振った。


「ううん、腹減ってるしなんでもいいよ。俺が買ってこようか」

2人で席を空けるとまずいからと、水原くんは1人で並ぶと言った。


「何がいい?」


「えっとじゃあ・・・同じのでいいよ」

「分かった」


店には7、8人が並んでいた。

店内もまだ混雑している。


少し離れた席に、他校の高校生の男の子と女の子の2人を見つけた。


楽しそうに話してる。

男の子が自分のハンバーガーを女の子に一口食べさせた。


仲のよさそうなカップルだなあ。



男の子と女の子、2人組。カップル。

・・・あれ、わたしたちも、周りからはそう見える・・・?


・・・なに考えてんだわたしはーっ!!



ぽんと頭に浮かんだ考えのせいで急に恥ずかしくなり、わたしはテーブルに突っ伏した。

勢い余って、ゴン、と鈍い音が聞こえた。


ちょっとおでこがジンジンする・・・。



「雪川さん!?大丈夫!?」


列に並んでた水原くんがいつの間にか会計を済ませ、ハンバーガーのセットを2つ持ってびっくりしながらわたしをのぞき込んでいる。



うう・・・また変なとこ見られちゃったよ・・・。


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