青いブレスレット
「そっかあ・・・中谷(ナカタニ)くんと別れたんだ・・・」
舞華(マイカ)ちゃんが少し視線を落として言った。
舞華ちゃんはわたしが一番信頼している友達で、中谷と付き合っていたことも舞華ちゃんだけには話していた。
だから別れた次の日、学校に行ったらすぐに舞華ちゃんに全部話した。
舞華ちゃんはぱっちりしたつり目に明るい茶色の髪で、とても明るいからみんなに好かれて一目置かれる。
でも、それだけじゃなく、舞華ちゃんはとっても優しくて、いつも相談に乗ってくれたり慰めてくれたりする。
「もう気持ちは残ってないの?」
「うん・・・完全に忘れたわけじゃないけど、もう戻れるとも思ってないよ。元々わたしのこと好きじゃなかったんだから・・・」
舞華ちゃんは急にわたしの頭をわしゃわしゃとなでた。
「紗奈。あたしが中学のとき付き合ってたやつなんてな、向こうから声かけてきたくせに3日くらいで冷たくなって、あげくのはてには『お前みたいな気の強い女は無理』って言ったんだよ?腹立ったからビンタしてさよならした」
ははっと笑いながら明るく話す。
「あたしなんか残酷な恋ばっかだよ、全く」
舞華ちゃんはいつも自分の経験を交えながらわたしのことを励ましてくれる。
本当に優しくて、いい友達だなあ。
「でも今は彼氏さんとラブラブでしょ?」
「まあ、今まで色んな思いしたからね」
大したことないように言うけれど、その横顔はとっても嬉しそう。
舞華ちゃんは最近できた彼氏とすごく仲がよくて、いつも幸せそうだ。
いいなあ・・・。
素直にそう思う。
わたしもこんな風に、お互い想い合う幸せな恋ができたら。
わたしも誰かに想われたいよ。