青いブレスレット
テーブルに置かれたトレイの上には、チーズとベーコンの挟まった期間限定のハンバーガーとMサイズのポテトとコーラがある。
まだ温かくておいしそう。
・・・そうだ、水原くんにお金払わないと。
「ありがとう。いくらだった?」
「ああ、お金は別にいいよ」
「え!?ダメダメ!絶対払う!!いくらだった!?」
急にわたしから誘って、レジに並んでもらった上に、おごってもらうなんて図々しいにもほどがあるでしょ!!
そんなの絶対ダメ!!
わたしがあまりにまくしたてるものだから、水原くんもびっくりして、じゃあ・・・とレシートを差し出した。
書かれた金額を財布から出して水原くんに渡した。
「・・・なんか、雪川さんって変わってるよね」
え!?変わり者ってこと!?
変ってこと!?
「え!?なにか変・・・かな!?」
「そうじゃなくて、こう・・・まっとうだよね」
まっとう・・・「まっとう」ってなんだっけ。
「まあいいや。いただきます」
水原くんはまた何事もなかったようにして、ハンバーガーの包みを開けた。
ほめられたのかもよく分からないまま、わたしもハンバーガーに手を伸ばした。