青いブレスレット

「!?」


水原くんは涼しい顔で、顔が真っ赤になるようなことをさらりと言った。



「・・・ご、ごめん!変な意味じゃなくて、その・・・あの・・・っ」


自分が言ったセリフをよく考えたのか、水原くんまで赤くなって取り乱した。


「・・・ごめん、変なこと言って・・・」



すっごく恥ずかしかった。

でも、かわいいなんて言われて嬉しくないわけないよ。


「・・・ありがとう」


自分でも聞き取れないような声でつぶやいた。


でも、水原くんにはちゃんと届いたみたい。



水原くんは恥ずかしそうに、また笑ってくれた。



わたしはまた恥ずかしくなって、とりあえずコーラに手を伸ばした。


「雪川さんはいつも中庭で弁当食べるの?」


唐突に聞かれて、ちょっと理解するのに時間がかかった。


「え?・・・えっと、うん、だいたい。雨降ったりしたら教室で食べるけど」

「そうなんだ。前から中庭で食べてるのよく見かけたからさ」

「え?そうなの!?」


わたしが水原くんを知ったのはあの日。

中谷にフラれたあの日。


でも、水原くんはいつからわたしのことを知ってたんだろう。



気になる。でも・・・

なんとなく恥ずかしくて聞けなかった。








< 43 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop