青いブレスレット

お昼を食べながら色んな話をしたわたしたちは、そろそろ店を出ることにした。



「雪川さん、今日はありがとう」



帰り道、しばらく歩いていると、水原くんは唐突に言った。


「え!?誘ったのはわたしだしお礼言うのはこっちだよっ!?」


照れ臭くてこんな言い方になっちゃったけど、やっぱり嬉しかった。


最初はちょっとイライラしたりもしたけど、勇気出して誘ってみてよかった。


前よりも水原くんと仲良くなれた気がする。



「あ…あの…」

水原くんが何か言いたそうだ。

どうしたんだろう。



「どうしたの?」


「その…また一緒にどこか行けたらいいね…」


「…へ?」



それを言うだけでこんなにためらってたの…?


思わずポカンとしていると、水原くんは後悔したような顔をした。


「ご、ごめん!その、今日すごく楽しかったから…!
ちょっと調子乗りすぎたね…ごめん忘れて…!」



今日は一緒にご飯食べに行けて楽しかった。

できることならまた一緒に出掛けたい。

でも、そんなこと言ったら図々しいと思われるかもしれない。



そんな気持ちが手に取るように分かった。


だって、わたしもその気持ちがよく分かるから。




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