青いブレスレット
…そうだった!
自分から聞くのは恥ずかしいけど、ここは勇気を出して…っ!
「水原くんっ!」
「?」
ケータイをいじっていた水原くんは顔を上げた。
「メ、メアド聞いてもいいかな…?」
恐る恐る聞いてみると、水原くんはケータイを差し出した。
「もちろん!赤外線で送ればいいかな?」
赤外線でプロフィールを送ってもらったら、わたしも自分のを水原くんに送った。
「ありがとう!暇なときメールしちゃうかも?」
ちょっとふざけて言ってみると、水原くんは笑顔で答えた。
「どうぞ?」
その返事がちょっと嬉しくて、わたしは心の中ではしゃいだ。
「水原ー、飯食いに行くかー」
教室の入口から男子が顔を出し、水原くんを呼ぶ。
「ああ、分かった」
友達と昼ご飯か。
そう思っていると、嫌な声が聞こえてきた。
「とーおーるっ!早く行こ~!」
…エリカだ。
こいつの顔はなんとなく見たくない。
エリカはわたしをちらっと見て、すぐに水原くんに向き直した。
「雪川さん、松浦さん、山寺、また明日」
「うん、バイバイ…」
水原くんはあっという間に行っちゃった。
「あの女、前にショッピングモールで…」
理香ちゃんが前にエリカを見たときのことを思い出したみたい。
嫌そうな顔をした。