青いブレスレット

「え～？そう見えるかなあ？」


エリカは特に変わることもなく、笑いながら普通にそう言った。


「松浦さん、違うよ。別になんにもないって！」


水原くんが慌てて否定した。

もちろん理香ちゃんは分かってたはずなんだけど・・・。



「なんだ違うの？じゃあなんでそんなベタベタしてんの？」

「あたしと透って仲いいからあ、スキンシップみたいな？」

「彼氏でもない男にベタベタすんのやめた方がいいよ。アバズレみたいに見えるから」


理香ちゃんが微笑みながら、エリカに刺すように言った。


わたしたちもびっくりしたけど、一番衝撃を受けたのはやっぱりエリカみたい。

今までにこんなに強く言われたことがなかったんだろう。



「・・・何、あんた」


エリカの顔から笑いが消えた。

理香ちゃんを冷たい目で見るけれど、理香ちゃんはそれ以上に冷たい目で、あざ笑うように言った。



「ごめんごめん、あたし素直だからさ、思ったことすぐ言っちゃうんだ」


「は？」


「ほら、続ければ？水原くんがかわいそうだけど」



この空気が廊下に広がって、廊下にいた人たちは黙り、こっちを見ている。