青いブレスレット
隠し事
しばらく屋上で目のはれが引くのを待って、予鈴がなったから教室に戻ることにした。
「千夏ちゃん、ありがとね」
「ううん、気にしないで」
にっこり笑ってそう言ってくれた千夏ちゃんはすごくいい子だなあと思った。
教室に戻ると、まだクラスは騒がしくて、話したり遊んだりしている人がほとんどだ。
その中に、机に突っ伏している水原くん、理香ちゃん、少し離れたところに西野くんを見つけた。
3人ともほぼ同じポーズで、ぐったりしているように見える。
さっきのことが原因なんだろう・・・。
自分の席に行く前に、西野くんの方へ行ってみた。
「西野くん・・・」
西野くんはゆっくりわたしを見上げた。
「あ、雪川さん・・・。大丈夫だった?」
「う、うん、ありがとう。西野くんこそ大丈夫・・・?」
「ああ、俺は平気だよ・・・」
全然そうは見えない。
わたしが千夏ちゃんに連れられていったあと、なにかあったことは確かみたいだ。
「西野くん、あのあと、何があったの?」
思い切って聞いてみると、西野くんは少し黙って答えた。