青いブレスレット
ずっとモヤモヤしたままその日は終わった。
同じように理香ちゃんと千夏ちゃんと一緒に帰ったけど、理香ちゃんは何か考えているようで、ずっと黙っていた。
千夏ちゃんが気を遣って話題を出してくれたけど、なんだか盛り上がらなかった。
家に帰って、リビングで麦茶を飲みながら今日のことを思い出した。
エリカにあんなこと言われて、さっきはつらくて泣いちゃったけど、今思い返すとやっぱり腹立つなあ。
なんであそこまで言われなきゃいけないんだか、わけが分かんない。
・・・いや、ホントは分かってる。
なんでエリカがわたしにあんなこと言ったのか。
エリカは水原くんのこと、好きだから。
わたしと水原くんが仲良くするのが気に入らなくて、わたしに当たってるんだ。
わたしと水原くんに何もなかったら、こんなことにはならなかったはずだよね。
わたしがいつもエリカに対してイライラすることもなかった。
エリカは水原くんが好き。
だからわたしが嫌い。
じゃあ、わたしはなんでエリカが嫌いなの?
それは―・・・。
「ただいま」
そんなことを考えていたら、お母さんが仕事から帰ってきた。
「お、おかえり!」
「?」
『おかえり』が不自然だったらしく、お母さんは首をかしげた。