青いブレスレット
「クラスの女子の半分くらいが、カナちゃんと口聞かなくなったんだ」
「え?どうして?」
「あたしも最初は分かんなかった。
なんで急にカナちゃんが無視されるのか、カナちゃん自身も理由が分からなかった」
少し考えてみた。
すると・・・現在と照らし合わせて、なんとなく理由が分かった。
「もしかして、エリカが・・・」
千夏ちゃんは少し黙る。
そして、口を開いた。
「そう。エリカちゃん。エリカちゃんはケンタくんに気があったみたい」
それでそんな・・・信じられない。
「エリカちゃんがクラスの女子に『カナを無視しよう』って言ったんだって。
みんなはエリカちゃんを敵に回したくないから、言うとおりにした。
カナちゃんには内緒で、クラスの子に聞いて回ってたら、そんなことを教えてくれた」
「ひどい・・・それで、カナちゃんはどうしたの?」
「カナちゃんも、エリカちゃんが原因だって自分で気づいたみたいだから、ケンタくんと一緒にいるのを極端に避けちゃったの。
そしたら、ケンタくんは、カナちゃんの気持ちが冷めたって勘違いしちゃって、カナちゃんに別れようって言った・・・」
エリカが邪魔しなければ、その2人は今でも仲良く付き合っていたのかもしれない。
そんなことがあったなんて、衝撃的だった。