青いブレスレット

「クラスの女子の半分くらいが、カナちゃんと口聞かなくなったんだ」


「え?どうして?」


「あたしも最初は分かんなかった。
なんで急にカナちゃんが無視されるのか、カナちゃん自身も理由が分からなかった」



少し考えてみた。

すると・・・現在と照らし合わせて、なんとなく理由が分かった。



「もしかして、エリカが・・・」


千夏ちゃんは少し黙る。

そして、口を開いた。


「そう。エリカちゃん。エリカちゃんはケンタくんに気があったみたい」


それでそんな・・・信じられない。



「エリカちゃんがクラスの女子に『カナを無視しよう』って言ったんだって。
みんなはエリカちゃんを敵に回したくないから、言うとおりにした。
カナちゃんには内緒で、クラスの子に聞いて回ってたら、そんなことを教えてくれた」


「ひどい・・・それで、カナちゃんはどうしたの?」



「カナちゃんも、エリカちゃんが原因だって自分で気づいたみたいだから、ケンタくんと一緒にいるのを極端に避けちゃったの。
そしたら、ケンタくんは、カナちゃんの気持ちが冷めたって勘違いしちゃって、カナちゃんに別れようって言った・・・」



エリカが邪魔しなければ、その2人は今でも仲良く付き合っていたのかもしれない。


そんなことがあったなんて、衝撃的だった。
< 74 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop