青いブレスレット
わたしは、一番気になったことを聞いた。
「今、カナちゃんは・・・?」
千夏ちゃんは、言いづらそうに答えた。
「あのあと、エリカちゃんに『あんたみたいなのがなんでいるんだろうね。いなくたっていいのに』って、遠くからわざと聞こえるように、笑いながら言われた。
それからカナちゃんは学校に来なくなって、退学しちゃった」
「退学!?」
「うん。ときどき連絡くれるけど、今は定時制の高校に行ってるみたい。
この学校でのことは忘れて、今の学校が楽しいって」
エリカが良い人ではないことくらい分かってたけど、ここまでひどい話を聞くと、憎くて軽蔑したくなる。
カナちゃんの恋も人生も壊したようなものじゃん―・・・。
「あたしね、あの時カナちゃんのために何もしてあげられなかった。
今思い出すと、それが悔しくて・・・」
千夏ちゃんの目にはうっすら涙が浮かんでる気がする。
「千夏ちゃん・・・」
「だからね、もし紗奈ちゃんがエリカちゃんに何かされても、友達だから・・・紗奈ちゃんの力になるよ」
千夏ちゃんの言葉に、わたしまで泣いちゃいそうになった。
まだ会ったばかりだけど、すごくいい友達ができた。
「千夏ちゃん、ありがとう」