青いブレスレット
雨宿り
「おなかすいたあ・・・」
チャイムがなって放課後になる。
みんなは席を立って帰り始めてるけど、なんとなく立ちあがる気にならなくて机に突っ伏しながらつぶやいた。
「どうしたの?ちゃんとお弁当食べたでしょー?」
舞華ちゃんがわたしの頭をぽんぽんと優しく叩く。
「だって・・・おにぎり一個食べてないし・・・」
そういえば、と、おにぎりを落としてしまったことを思い出した。
「おにぎり一個でそんなに変わる?」
「変わるもん・・・」
わたしは食べるの好きだし、すぐおなかすいちゃうから、おにぎり一個でもわたしにとってはけっこう重大。
「舞華ー、紗奈ー、カラオケ行こーよー!」
理香ちゃんと百合ちゃんがわたしたちを呼ぶ。
「うん行く―!紗奈、行くよ?」
「・・・わたし、今日はパス・・・」
なんとなく行く気になれない。
ファミレスとかファストフード店なら行ったかもしれないけど。
「えー、来ないの?」
「うん、ごめん。また誘って。じゃあ・・・また明日」
3人はわたしに手を振ると、楽しそうに話しながら教室を出ていった。
「はあ・・・わたしも帰んないと・・・」
仕方なく立ちあがって教室を出る。
みんな、帰りにどこ寄る?と楽しそうに話しながら昇降口に向かって歩いていた。