青いブレスレット

「おはよ、雪川さん」


水原くんは久しぶりに、わたしにあの優しそうな笑顔を見せてくれた。

なんだか溶けちゃいそう・・・。



「お、おはよう・・・」



水原くんは白のVネックのシャツの上に、薄い生地の黒っぽい灰色のパーカーを羽織って開いていて、ジーパンにスニーカーをはいていた。


水原くんの私服見たのは初めてだ。

・・・かっこいいかも。


水原くんは何着ても似合いそうな気がする。


・・・何考えてるのわたしっ!


水原くんに言わなきゃいけないことあるでしょっ!?



「み、水原くん・・・回る前にちょっと話、いいかな・・・?」


「え?」



水原くんが一瞬、深刻そうな顔をした気がする。


わたしが話そうとしたこと、気づいたのかな・・・?



わたしたちはとりあえず入場券を買ってゲートをくぐった。


どこかにベンチ、ないかなあ・・・



人が多いからベンチも埋まっちゃってると思ったけど、入口の近くのベンチに座る人はそんなにいないみたい。



サイドに赤とか青とかのパンジーが咲いたプランターが置いてあるベンチに、水原くんと腰かけた。

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