青いブレスレット
校舎の外に出ると、空は灰色に曇っていた。
やだ、なんか雨降りそう・・・。
急いで帰ろうと、足早に校門を出ると、誰かに呼び止められた。
「雪川さん!」
ぱっと振り返ると・・・。
・・・水原透・・・?
「あ、あの、昼間はごめん」
水原透はまたわたしに謝った。
「あ・・・もういいって、別に・・・」
少し笑いを浮かべてそう答えたけど、あることを思い出した。
・・・そういえば、この人、わたしのこと好きって・・・。
そう思うと急に恥ずかしくなって、その場から逃げたくなった。
ポツ・・・ポツ・・・
え?雨?
上を見上げると、灰色の空から水の粒が降ってくる。
ホントに降ってきちゃった・・・どうしよ・・・傘もないのに・・・。
ここから校舎に戻るにも、少し距離がある。
どうしようか考えていると、水原透が走りだした。
「え!?ちょっと・・・」
「ついてきて!」
わけも分からないまま、わたしは濡れながら彼の後をついていった。