青いブレスレット
「雪川さん・・・?」
ベンチに座ったわたしたちの前を、カップル、親子連れ、老夫婦、色んな人が通り過ぎていった。
「・・・水原くん」
わたしは意を決して、水原くんに話すことにした。
「水原くん、この前エリ・・・新田さんと・・・何かあったんだよね?」
「・・・!」
急にこの話をされるとは、さすがに思ってなかったみたい。
水原くんは言葉が見つからないという顔をしている。
「わたしの友達が見てたんだって。水原くんが新田さんに・・・殴りかかろうとしたって」
そう言ってわたしは、水原くんの目をじっと見た。
「・・・水原くん、それは本当?」
水原くんの目は困っている。
でもやっぱりまっすぐた。
水原くんは何も言わず、こくんと小さく頷いた。
「水原くん・・・」
「・・・雪川さ―・・・」
「ごめんなさいっ!」
そう言ってわたしは、自分のひざに頭をぶつけそうなくらい、思いっきり頭を下げた。