青いブレスレット

「水原くん・・・」


わたしは自分の目を手の甲でゴシゴシこすった。



「わたしね、友達からその話聞いて、申し訳ないって思った。
でも、それと同じくらいに・・・嬉しかった」



水原くんは何も言わずに聞いてくれる。

ただ、澄んだ目でわたしを見つめて。



「わたしがショッピングモールで水こぼした時も、可愛いって言ってくれて、本当に嬉しかった・・・。
嬉しかったんだよ・・・?」


頭の中にあった『ごめんなさい』は、別の単語に変わっていた。


わたしはきっと微笑んで、水原くんにその単語を伝えた。



「・・・ありがとう」



・・・よかった。


『ごめんなさい』も『ありがとう』も、ちゃんと伝えられた。


ただの自己満足かもしれない。

水原くんが受け止めてくれたか分からない。



でも、伝えられてよかった。
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