青いブレスレット
「雪川さん、ごめんね」
タオルハンカチを当てながら、水原くんは言った。
「そんな、水原くんは謝らなくていいって―・・・」
「ううん」
水原くんは首を振った。
「俺が雪川さんに教えなかったのは、雪川さんを傷つけないためともう一つ理由があったから」
もう一つの理由―・・・?
「理由って・・・?」
問いかけると、水原くんは少し黙って、口を開いた。
「・・・知られたくなかったんだ」
「え・・・?」
エリカを殴ろうとしたこと?先生に怒られたこと?・・・
「・・・どうして?」
「だって、事情はあっても俺がしたことはいいことじゃないだろ?」
それは確かにそうだけど・・・。
でも千夏ちゃんには話してたじゃん・・・。
「雪川さんに、俺の悪いところ知られたくなかった」