Fairy-tale Assassinate
見れば、さっき私たちが立っていた真横のガラスが粉々に割れ、向かいの壁には長い矢。
「あっぶねぇことを…」
「全くな。俺はともかくお嬢さんに傷がついたらどうするな!」
手を握りしめてますが、私にそんな価値はないですよ王子サマ。
「これは、ミリー家のものですね」
「ユノ!」
いつの間に入ってきたのか、髪も服も黒い男性が矢をじっくりと見ていた。
「主よ、ご無事で何より」
「普通、助けに入るもんじゃないのな?」
「空気から従者が入るべきではなないかと」
さっきのを見られたと知って、また私の顔は真っ赤に変わる。
「ほら、そういうことは言うもんじゃないな」
「どなたの口が言うのですか…」
ユノさんは呆れた様子で矢を王子サマに手渡す。