Fairy-tale Assassinate
ガゥン!!
「ギャッ!」
遠い悲鳴の後、静けさが訪れる。
最後にもう一度撃って、エルヴィス様は白い銃から出る硝煙をフッと吹いた。
その姿すらも、様で美しい。
「これでもう大丈夫な」
月明かりに照らされる背中に、小さな光が横切る一瞬。
そこに見えたのは――
「お手を」
目を凝らす前に、ユノさんの働き者の手が差し出される。
「は、はい…」
私…いつの間に腰を抜かしてたんだか…
立ち上がった正面にはエルヴィス様。
私の手をとり跪く。
「おかげで助けられました。このお礼は、近いうちに必ず」
「そ、そんな! こちらこそ、ですだ!」
手に唇が触れるか否か。
エルヴィス様はスッと立ち上がって、
「ユノ、後は頼むな」
と、そのまま行ってしまった。