Fairy-tale Assassinate
「あいつのことはね、リルウって呼んでる。何だかバカみたいな行動が多いから。他のはそんなことないけど、あいつだけ屋敷にちょいちょい来る。変わり者な」

「は、はぁ…」


話において行かれる私をおいて王子サマは話を続ける。


「妖精の守り人のお伽噺って知ってる?」

それならわかる。
小さい時から大好きで寝る前によく読んでもらった。
頷くと、エルヴィス様は満足気に笑った。

それにしても、この夜景がよく似合う。


「この屋敷はな、その守り人の為のものなのさ。その証拠に――ほら」

エルヴィス様が示した先には噴水の中央で水と遊ぶ、妖精の像たち。
そのひとつひとつに、羽と花をモチーフにした印が。


言われなきゃ、気付かねな。

「これが見られるお嬢さんは、ラッキーな」


私にとっては…あなたに会えたことも。

突然、胸が…苦しくいっぱいになる。


「さぁ、誰かが来る前に行った方がいいな。今回のことは、必ずどうにかするからな」


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