Fairy-tale Assassinate
バタン! と玄関を閉じられたけれど、悲しい気分はしない。
むしろ…飛んで踊りたい気分だっ!!
「これで、お嬢さんの家族は安泰な」
「ま、まさか! 私の為に?」
馬車に向かって歩きながら、エルヴィス様は私の手をとった。
「もちろんです」
「貴女という人材が必要だったのも事実です」
ユノさんの間髪入れない捕捉に、エルヴィス様は眉をつり上げた。
ユノさんは知らん顔。
「私たちは、妖精などという存在を保護する為にも行動しているのです」
「それには、見える人間が対応しないといけないからな」
「それで…私が…」
私に、そんなことが出来るだろうか?
そんな、昔むかしに読んだ絵本のようなことを。