Fairy-tale Assassinate

「あ、はい!」


指に温度が、ついでに頬も熱くなる。


手だけ引いてもらうつもりだったのに、


「失礼、な!」

「ひやぁ!!」


腰を取られ、あれよあれよという間に抱き上げられてしまった。


高い!
どうしたらええんだ!?


「じっとしててな」

「な! な、なにをっ?」

私を抱いたまま、王子サマは客全員を振り返る。


「皆さん、主催者の身でありながら申し訳ありませんな。レディの安全はパーティーの進行より大事な」


周りから笑いが起こる。
私は今すぐ人の目から立ち退きたいだ。


「レディとこのまま夜を共にしたいのは山々ですが、主催者が抜ける訳にはいきませんな。

着替えて参りますので、しばしお待ちを」


< 7 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop